バハカリフォルニア半島は、その付け根から突端まで、日本列島本州の青森から下関までとほぼ同じ大きさであるが、一本だけ舗装された国道・メキシカンハイウェイ1が最南端の街まで通じている。
もちろん主要な街のへのアクセス路や街の中心部は、何本かの舗装された道路や国道はあるが、それ以外は全て未舗装路である。

偉大なる草レースBAJA1000は、まさにそのダートロードをひたすら1600km先のゴールを目指して一気に走りきるレースである。大抵のチームは数名のライダーが交代しながらゴールを目指すことになるが、レースコースと国道が交わるポイント数箇所にガスチャージやメンテナンス、ライダー交代を行うピットを設けることが多い。
当然サポートカーは、メキシカンハイウェイ1を使って南下するが、次のアクセスポイントまでの移動時間はすぐに計算できる。なぜなら日本と違って渋滞もなければ、信号もないからである。

大きな街をいくつか通過する際に数ヶ所信号があるだけで、数百kmまったく信号機がない区間もある。たとえば、青森から下関まで行く間に、仙台と東京、大阪と広島の距離感で「街」があると思えば分かり易いかもしれない。片側一車線のひたすら真っすぐな道では、信号など必要ではない。
果たして日本には、いくつ信号があるのだろう。数えていたら、羊の数を数えるよりも先に寝てしまう。
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