偉大なる草レースと言われるBAJA1000。
毎年11月、メキシコ太平洋側の南北約1600kmにも及ぶバハ・カリフォルニア半島で開催される半島縦断デザートレース。世界のトップライダーが集まり、四輪メーカーも数千万円とも言われるモンスタートラックを投入するビッグレースでありながら、車両とエントリーフィーさえあれば、誰でも参加できるところが、偉大なる草レースたる所以だ。

もともと半島のつけ根の街から突端の街まで何時間で走りきれるかという冒険走行が基本となるレースだけに、メーカーの威信をかけてのトップ争いとは別に、一生に一度の冒険旅行として参加する一般ライダー、ドライバーも多い。

BAJA1000の出場車両は、2輪4輪あわせて350台ほどに及び、内訳は4輪が250台ほど、2輪が100台ほどのエントリーとなる。
4輪は大きく分けてピックアップトラック、バギー、バハバグと呼ばれるワーゲンビートルの3つに別けられるが、改造の程度や排気量、シート数などによって20クラス以上にも分けられている。
2輪は排気量、年齢、プロ・アマで下記7クラスに分かれる。ATV(クワド)も排気量とプロ・アマで3クラスに分かれる。
250cc以上のプロクラス P22
総合優勝のトップライダーが出場する最速クラス。XR650R、WR450Fなど。
250cc未満のプロクラス P21
最高速は劣るが、スプリント的なコースでの扱いやすさが気量問わず。CRF250X、KTM250EXCなど。
30歳以上のプロクラス P30
プロクラスだけあり、30という年齢は関係ない。トップは総合1桁にはいる速さを見せる。排気量問わず。
40歳以上のプロクラス P40
まだまだ現役ライダー達が出場するので同じく、総合上位の成績でゴールする。排気量問わず。
50歳以上のプロクラス P50
さすがにエントリーは少ないものの往年のライダー達が出場する。排気量問わず。
250cc以上のスポーツマンクラス SMO
賞金が出ないアマチュアクラスだが、トップはプロクラスでも上位に入るタイムを出す。
250cc未満のスポーツマンクラス SMU
賞金が出ないアマチュアクラス。ある意味一番タフなクラス。スタートも2輪の最後尾。

以前は、スポーツマンクラスの設定がなく、全てのクラスで賞金が出ていたが、一般ライダードライバーの参加台数の増加に伴い、スポーツマンクラスが増設された。
もちろん、速く走ること、安全に走破することを考えれば、エンデューロマシンを選択するのが良いが、スクーターで出場したつわものもいる。また、日本からのチームではCRMや、XLRバハ、XR250など市販車での参加組も見られ、速さより扱いや易さ、カスタムのし易さで車両を選ぶ場合もあるようだ。
80年代後半から、90年代半ばまでは、カワサキのワークス参戦もあり、2ストロークモトクロッサーの出場も目立っていたが、カワサキの撤退後は、さしずめホンダXRのワンメイクと言っても良いくらいXRでの参加者が増えた。
そして、2003年KTMの本格参戦以降、2005年のBMW HP2での出場と、軽量ハイパワーマシーンからビッグバイクでの挑戦という大きな流れも起こりつつある。
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