バハは乾燥している。そんな気候のせいもあるだろう。メキシコの人たちはジュースが大好きなようだ。
実際、日中は何もしないでいてものどが渇く。さらに乾いた大地は、一歩踏み出しただけでパフパフの土埃がたつ。しばらく出歩いただけで、鼻の中は、乾いたモトクロスコースを走ったのと同じ状態だ。メキシカンでなくともシュワ−ッとした爽やかな飲み物が欲しくなる。

気軽に食べられる屋台のタコスショップでタコスをオーダーすれば、「ペプ〜シ?スプライ〜ト?」と聞かれ、こちらもついつい「ペプ〜シ、ポルファボール」などと答えてしまう。
また、フレッシュな絞りたてのジュースもレストランではよく出される。ときには、10種類ほどもメニューがあり、オレンジジュースやグレープフルーツジュース以外のものを試そうと、聞きなれない単語のものを注文するとニンジンジュースだったりして失敗することも・・・。

バハでは、ジュースの自動販売機はあまり見かけない。大きな街のリゾート的な施設にしかない。そのかわり、街のいたるところにミニマートがあり、ジュースやビール、スナック類が売られている。
コカコーラや、ペプシの他、アメリカでよく見られるジュース類はたいていある。以前は、ビンのジュースが多かったが、最近は缶ジュースの割合が多くなった。さらに、何処かの国と一緒で、ペットボトルもとても多くなってきた。
スーパーマーケットでは大きい商品棚に、「並べればいいってもんじゃないでしょう」ってくらい、ジュース類が陳列されている。一つの棚にコーラならコーラだけ並べられていたりして、アイテム数は少ないところもあるが、それだけ需要はあるということだろう。缶詰、ビン詰もやはり、スーパーマーケットでは同じようにたくさん並べられている。
トマトやサルサソース、ハラペーニョなどのトウガラシの酢漬けなどなど、お国柄がでている品揃えだ。
トウガラシなどは、一度にいっぱい食べるものでもないので、小さな缶のものもあり、お土産にちょうどいい。
もちろん、ツナ缶やランチョンミート、コンビーフなど一般的な缶詰も揃っていて、BAJA1000参戦の際は、レース中の食料としても便利だ。

また、モレペーストのビン詰めも山積みされているのをよく見る。
チキンのモレは、日本のカレーのような、メキシコの家庭料理だ。
カカオがベースに様々なスパイスを加えたチョコレート色のペーストをコンソメスープで延ばし、鶏肉を煮込んだ料理である。
そのチョコレート色に黄色のラベルが貼られたビン詰が何十個と積まれているのを見ると、メキシコの人たちはきっと「今日はチキンモレの日」などと思いながらついつい買ってしまうのだろう。
りんごとハチミツならぬ、バナナとココアがとろーり溶けている家庭の味だから。
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