1962年にホンダのCL72というバイクのプロモーションとして、アメリカホンダが企画した冒険に臨んだ男達が打ち立てた半島縦断の記録がある。これを塗り替えようと、チャレンジャー達が次々と砂とサボテンの大地に挑んでいた。やがてレースを運営する組織が生まれ、1967年、第一回「メキシカン1000ラリー」としてBaja1000は、始まった。
74年からは、代表のサル・フィッシュ氏率いる現在のレースオーガナイザーSCOREが運営することとなり、アメリカ国内とメキシコで行われる、年間6回のシリーズ戦の最終レースとして毎年11月に開催されている。

南北約1,600kmのバハカリフォルニア半島の付け根の街から突端まで、昼夜を問わず走り、誰が一番速く走ったかという単純明快なデザート(砂漠)レースだ。
世界最長のスプリントレースとも言われ、トップレベルのライダーがワークス体制で次元の違う走りをしている一方、40歳以上、50歳以上のクラス、賞金なしのスポーツマンクラスと冒険を楽しめる(?)クラス設定がある。マシンと意志さえあれば競技規則もサンデーレース並で、誰でも出場できるところが「偉大なる草レース」とも言われる所以だろう。
諸般の事情によりオリジナルの半島縦断コースは、通常3年に一回で、他の2年は、半島の北側をグルリとまわるループのコース設定となる。これは、スポンサーなど、財政的な要因が大きいようだ。サル・フィッシュ氏は、毎年縦断コースで開催したいようだが・・・。

また、SCOREの他にも、サンディエゴやメキシコ国内にもレース主催団体があり、1,600kmに及ぶ砂の大地で毎月のようにレースが行なわれている。
大きな街をスタートして1周500km位のループを描き戻ってくるようなデザートレースだ。いわゆるショップレースのような、それこそ草レースであったりするが、迫力はひとつも変わらない。モンスタートラックこそ出場しないが、バハバグやバギー、ATVそしてモーターサイクル、砂の上を走れる物なら何でもOKといったところだろうか。
そして、今年も11月にバハで最も熱く最も過酷なレースがはじまる。
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