アメリカ西海岸、サンディエゴの南に細長く伸びるバハカリフォルニア半島。メキシコ本土との間は、コルテス海とも呼ばれるバハ・カリフォルニア湾で隔てられている。
南北1600kmに渡るバハ・カリフォルニア半島の北から1/4ほどのコルテス海側に、小さな入り江、ゴンザガベイがある。
やはり、コルテス海側の小さなリゾートタウン、サン・フェリペから約160km南下した場所に位置するが、ゴンザガベイへ続く道は、はじめの約30kmを除いて全て未舗装の道だ。また、半島を貫く唯一の舗装国道の1号線までは、さらに60kmほどのオフロードを走らなければならないという、いまだに開発の手の及ばない、バハで最も美しいビーチの1つである。
そして、この美しいゴンザガベイの一番すばらしい場所にアルフォンシナス・ホテル&レストランがある。

ゴンザガ湾は、実際には干潮時に砂州で分かれる2つの別々の湾から成っている。大きい前側の湾は、コルテスの海に面していて5kmほども続く美しいビーチ沿いに、アルフォンシナスを含め、70ほどの建物がある。そして、奥の湾は、キャンプ場と幾つかの建物だけの、静かで美しい自然が保たれている。
バハの開発に貢献した、ジェームス・アドキンズが、ゴンザガ湾のビーチに続く干潟に小さなセスナ機を着陸させ、何か特別なものを発見したと悟ったのは、1958年のことであった。そしてその翌年、誰一人いない、この壮観なビーチにトレーラハウスを設置した。彼は、鉄格子をトラックで引っ張って整地し、その地形を活かして未舗装ではあるが小型飛行機の発着に十分な滑走路を造った。それから数年の間で、サンディエゴやロスアンゼルスに住む多くのバハ愛好家達が続き、アメリカ人達のリゾートとして小さな小屋であるがビーチハウスが次々に建てられてきた。
そして1961年にアルフォンシナ(Alfonsina)が彼のトレーラの横で5部屋だけの小さいホテルの営業をはじめた。現在は、2本の滑走路があり、自家用機で訪れる者も多く、レストランの壁には、セスナ機売りたしの張り紙を見ることも出来る。

近年は1996年に改装し、レストランの北に6つの部屋が、そして、南側には10の新しい部屋が1998年に完成した。北側のうち3部屋は、コルテス海に望み、残りの3部屋は、内湾を望む。南側は2階建てとなり、大きなバルコニーからのコルテス海の眺めはすばらしい。Alphonsinaの息子である、Joaquin Cardenasと、彼の奥さんSusana が引き継いで、素晴らしいサービスを提供している。

4つほどのテーブルを並べるといっぱいになってしまう、小さな食堂といえるが、コルテス海の潮風を心地よく感じることが出来る「絶景レストラン」の一番のメニューは、フィッシュタコスだ。
大人数で、注文すれば、山盛りの白身魚のフリッターが豪快にサーブされ、アツアツのトルティーヤも焼きたてが運ばれる。もちろん冷えたジュースや、ビールも用意されている。宿泊客の為のバーでは、テキーラやカクテルも楽しめる。レストランの海に面したデッキでの夕日を眺めながらのサンセットマルガリータは、この世の楽園だ。

そして、レストランの窓に貼られた、たくさんのステッカーは、ほとんど全てレース関係のものだ。世界各国のライダーやドライバー達がバハツアーでアルフォンシナスを訪れ、その証に残していったものだ。
また、BAJA1000のレースコースとしても使われるルートであるので、多くのライダーがレース前のプレラン走行時にも足を止めるのだ。砂とほこりの中を100km以上走行してきたライダー達にとっても、地上の楽園なのである。
この先、ゴンザガベイへ続く道が舗装されないとも限らない、今のうちに、アルフォンシナスをベースにしてのフィッシングや、島巡りのボートツアー、シーカヤックツアーなどマリンアクティビティーも、このシーパラダイスで楽しもう。
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